インターネット上で自社ページへの集客をおこなうためには、「SEO対策」をおこなうことが欠かせませんが、「SEO」とはいったい何か、きちんと理解できていない方もいるのではないでしょうか。
SEO対策には自分でおこなうことができるものもあれば、SEO対策を専門におこなっている会社に依頼したほうがよいものもあります。
会社に依頼する場合は、もちろんそれなりに費用もかかりますので、依頼すべき会社のポイントも押さえておかなければなりません。
この記事では、SEOとはいったい何か、SEO対策の種類、SEO対策をおこなうことのメリット・デメリットなどについて説明します。
そもそもSEOとはいったい何かということについて、以下で説明します。
SEOとは、「検索エンジン最適化」を意味する「Search
Engine Optimization」の頭文字をとったものです。
Googleをはじめとした検索エンジンに対して、自社のサイトが評価されやすいように最適化することを指します。
検索エンジンでは、ユーザーが検索したキーワードに対して「欲しがっている情報を手に入れられるサイト」や「内容の充実しているサイト」を上位表示するように、アルゴリズムが組まれています。
このアルゴリズムのもとでページをなるべく上位表示させるための種々の施策のことを、一般的に「SEO対策」と呼びます。
SEO対策にはいろいろな種類がありますが、SEO対策において基本となるポイントは、「ユーザーにとって有益な内容を提供する」ということです。
たとえば「クレジットカード 発行」というキーワードで検索をおこなったユーザーは、「クレジットカードの発行にはどれくらいの期間がかかるのか」「クレジットカードを発行するために必要な書類は何か」といった情報を求めていると考えられます。
こういったユーザーの意図を汲み取って、それに対する答えを提示できるサイトでなければ、検索エンジンのアルゴリズムには評価されないため、上位表示されることができません。
SEO対策には多種多様なテクニックがありますが、何をおいても「ユーザーが求めている情報を提供できるサイトを作成する」ことを意識することが、もっとも重要です。
SEO対策の種類は、「内部施策」「外部施策」「コンテンツSEO(コンテンツ制作)」の3つに大きく分類されます。
それぞれのSEO対策について、以下で詳しく説明します。
内部施策とは、サイト内のコンテンツを対象としておこなう施策のことを指し、具体的な施策として例を挙げると「クロール最適化」「インデックス最適化」「ランキング対策」の3つが挙げられます。
サイトの検索順位や評価は、検索サイトの「クローラー」と呼ばれるロボットが、各サイトを巡回してコンテンツを読み取ることによって決定されています。
検索順位を高めるためには、クローラーがサイト内の全ページをスムーズに巡回できる必要がありますが、クローラーにとってなるべく巡回しやすいようにサイトの設計をおこなうことを、「クロール最適化」と言います。
クロール最適化をおこなうにあたっては、「リンク構造の単純化」「XMLサイトマップの送信」「パンくずリストの設定」などが重要になります。
インデックスとは、クローラーが読み取ったページの情報が蓄積されるデータベースのことを指し、サイトの情報がインデックスされなければ、検索エンジンでの検索結果には表示されません。
そのため、クローラーにサイトの情報を正しく読み取ってもらうための「インデックス最適化」も、SEO対策には欠かせない施策のひとつです。
インデックス最適化をおこなうにあたり、「タイトルの最適化」「見出しタグの設定」「URLの正規化」などが重要になります。
検索エンジンはさまざまなアルゴリズムの要素を用いて各サイトの検索順位を決定していきますが、最近では「サイトをモバイルフレンドリーにする」「ページの表示速度を改善する」といったことに意識を向けることも大切になってきています。
内部施策がサイト内のコンテンツを対象としておこなう施策のことを指すのに対して、外部施策はサイトに関わる外部要因に対する施策を指します。
代表的な外部施策としては、「被リンク施策」(外部リンク施策、バックリンク施策などと言う場合もある)が挙げられます。
被リンク施策は、「外部からどの程度リンクが設置されているか」をよいページやコンテンツを判断する際のひとつの基準としているため、被リンクをなるべく多く設置することで検索エンジンからの評価を向上させる、という施策です。
ただし、「被リンクの数を増やす」ということばかり意識しすぎて、そのページのコンテンツとは直接関係のないサイトの被リンクばかり設置していても、サイトを訪れるユーザーのためにはなりません。
一時期、被リンクを貼り付けることでSEO的な効果を見込む「被リンク業者」と呼ばれる業者も存在していたことから、現在では意図的に設置された被リンクに関しては、検索エンジンからマイナスの評価を受けることも考えられます。
外部施策は、SEOの肝から考えれば本質的な対策ではないとも考えられるので、あくまでも内部施策に注力したほうがよい結果につながることが多いと言えるでしょう。
コンテンツSEO(コンテンツ制作)とは、サイトを訪れたユーザーに対して価値のあるコンテンツを提供することで、SEOを最適化する施策です。
内部施策や外部施策によって検索順位を上位表示できたとしても、肝心のサイトの中身が伴っていなければ、ユーザーはそのサイトを閲覧しようとはしません。
サイトの中身を充実させてユーザーにとって価値のあるサイト作りをおこなうことは、検索エンジンからの評価を高めることにつながります。
コンテンツSEOは、サイト内のコンテンツを対象としておこなう施策であることから内部施策の一環とも言えますが、とくにコンテンツに特化した対策ということで、その他の内部施策とは別枠でとらえられることが多いです。
SEO対策をおこなうためには、まずは自社サイトのどのような点を改善すべきかを把握することから、スタートしなければなりません。
改善点を把握するために重要なことは、「ツールの導入と分析準備」「現状の把握」です。
それぞれについて、以下で説明します。
実際にどのようなSEO対策を施すべきかを判断するためには、以下に挙げるような点をチェックすることが重要です。
・ 自社サイトは検索エンジンにきちんと認識されているか
・ 意図しているキーワードで検索結果に表示されているか、流入があるか
・
サイト全体または特定のページに対して検索エンジンからの流入があるか
こういった分析をおこなうために役立つツールとしては、無料で使える「Google
Analytics」や「Google Search Console」が挙げられます。
どちらもSEO対策をおこなうためには必須のツールなので、まずはこれらのツールを導入して分析の準備をおこないましょう。
「Google
Analytics」および「Google Search Console」を導入したら、先ほど触れたチェックポイントに関して、現状どのようになっているかを確認しましょう。
検索エンジンに自社サイトが認識されていなければ、流入を望むのは絶望的ですから、まずは「自社サイトが検索結果に表示されているかどうか」から確認するとよいでしょう。
検索結果に表示されていることを確認したら、どの検索ワードでどの程度の流入があるかを確認します。
流入数などの数値をもとにして、今後どういったところにどのような対策をおこなうべきかを判断していくことになります。
SEO対策は、専門におこなっている会社に依頼するケースが多いですが、自分でおこなうことも可能です。
SEO対策を自分でおこなう場合は、以下に挙げるステップを意識することで、うまく進められるでしょう。
1. 検索ユーザーの人物像をイメージする(ペルソナ作成)
2. 対策キーワードに関連するキーワードをピックアップする
3. 検索結果の上位に表示されている記事をリサーチ
4. ユーザーの関心を引き付ける構成を考える
5. ユーザーの悩みに答える文章を作る
6. Googleからもわかりやすい文章を作る
7. 公開後もリライトをおこない記事質を向上させる
それぞれのステップについて、詳しく説明します。
まずは、自社のサイトを訪れるユーザーのイメージ像である「ペルソナ」を作成します。
たとえば化粧品を取り扱っている企業のサイトであれば、検索ユーザーの多くは女性であろうことが推測されます。
ただ、それだけではペルソナとしては不十分なので、このユーザー像をより細かい部分まで考えていきます。
年齢、居住地、家族構成、職業、置かれている状況、顕在的なニーズ、潜在的なニーズなど、具体的な「1人」まで絞り込めるほど、細かく設定することが重要です。
対策キーワードとは、ユーザーがそのキーワードで検索をおこなった際に、自社サイトが上位表示されてほしいキーワードのことです。
先ほど例に挙げた化粧品のケースであれば、「化粧品」や「保湿」などが挙げられるでしょう。
ただ、ユーザーが実際に検索をおこなう際は、複数のキーワードを組み合わせて検索することが一般的なので、対策キーワードに関連しているキーワードもピックアップする必要があります。
化粧品であれば、「肌荒れ」「40代」「ボタニカル」などが関連キーワードとして考えられます。
関連キーワードを適切にピックアップできるかどうかで、SEO対策の効果が出るかどうかは大きく変わります。
続いて、対策キーワードおよび関連キーワードによる検索で、上位に表示されている記事をリサーチします。
上位表示されているサイトは「検索エンジンからの評価が高いサイト」ということなので、コンテンツや構成などをチェックすることで、自社サイトに足りない部分に気付くきっかけになります。
リサーチするサイトの数は自由ですが、検索結果の1~2ページ(10~20サイト)程度をチェックしてみるとよいでしょう。
検索結果の上位に表示されている記事のリサーチ結果をもとにして、ユーザーの関心を引き付ける構成を考えます。
対策キーワードおよび関連キーワードで検索をおこなっているユーザーはどのような情報を求めているか、その情報はどのような流れで提示されるのがわかりやすいかを意識することで、おおまかな構成は自ずと決まってくるでしょう。
情報をしっかりと掲載することは必要ですが、キーワードでの検索結果に対してあまり必要でないと思われる情報を詰め込むことは、かえって評価を下げることにつながりかねません。
ユーザーに必要な情報をしっかりと取捨選択したうえで、構成を考えることを心がけましょう。
構成が完璧であっても、その中身となる文章がユーザーの求めるものになっていなければ、本末転倒です。
キーワードで検索をおこなったユーザーはどのような悩みを持っているか、どのような問題点を解決したいと思っているかを踏まえて、ユーザーが必要としている情報をしっかりと提示できる文章を作らなければなりません。
いわゆるコンテンツSEOに該当しますが、しっかりと時間をかけて文章を推敲しましょう。
コンテンツを制作するにあたっては、ユーザーにとってわかりやすい文章を作ることが非常に重要です。
ただその一方で、SEO対策という観点から考えると、Googleをはじめとした検索エンジンからわかりやすい文章を作ることも、心がける必要があります。
キーワードに沿った文章になっているかなど、検索エンジンからも評価されやすい文章を作ることも同時に意識してください。
検索エンジンのアルゴリズムには日々改良が加えられているため、公開当初はアルゴリズムによい評価をもらえていたサイトが、アルゴリズムの変更をきっかけに徐々に評価を落としていくこともあります。
その場合は、その時々の検索結果のトレンドを追いながら、検索エンジンの評価を維持できるように定期的にリライトをおこなうことが求められます。
リライトをおこない、検索エンジンから「高品質」なサイトおよびコンテンツであると評価され続けることによって、上位表示をキープし続けられるでしょう。
SEO対策をおこなうことによるメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
・Webサイトへの流入が増える
・ブランディング効果がある
・リスティング広告より集客力が高い
・作成したコンテンツは資産になる
・ユーザーから信用されて権威性が増す
それぞれのメリットについて、詳しく説明します。
SEO対策をおこなうことのメリットとしては、何と言っても自社サイトへの流入が増えることが挙げられます。
SEO対策をおこなうことで検索結果でより上位に表示されるようになれば、より多くのユーザーの目に留まるようになりますし、結果的に知名度も上がります。
キーワードによる検索で流入してきたユーザーは、商品の購入やサービスの利用という点において確度が高いということも、重要なポイントです。
インターネット上において「○○と言えば△△」と広く認知されることは、ユーザーにとって価値あるものとして評価されていることのひとつの証となります。
コンテンツの内容がまったく同じだとしても、上位表示されているかどうかによって、ユーザーからの印象は大きく変わります。
これはまさにブランディングであり、上位表示されて高い評価を得ることによって、その後もブランディング効果が継続することが期待できるでしょう。
サイトを上位表示させることによって集客力の向上を目指す手法にはリスティング広告もあり、リスティング広告を利用することで、サイトが検索結果の目立つ位置に表示されます。
ただ、リスティング広告を利用して上位表示した場合、必ず「広告である」ことがわかるように表示されるため、閲覧を避けるユーザーも一定数います。
一方、SEO対策をおこなって上位表示になった場合、もちろん「広告である」というような表示は付きません。
「上位表示されているうえに広告ではない=ユーザーが求めている情報が掲載されている」と判断されやすいため、リスティング広告よりも高い集客力が期待できます。
ユーザーが求めている情報を網羅したコンテンツは、一度作成されればそのままインターネット上に存在し続けます。
このコンテンツは、きちんと保守・管理を継続することで貴重な資産として残り続けますし、二次活用することも可能です。
メールマガジンによるコンテンツの配信や、内容を要約しての各種SNSでの発信などは、元のコンテンツのクオリティが高ければ高いほど、大きな効果が期待できるでしょう。
検索エンジンがアルゴリズムを用いて、ユーザーにとって有益なサイトを上位表示させているということは、ある程度広く知られてきています。
そのためユーザーも、「検索エンジンで上位表示されているサイト=信用・信頼できるサイト」という意識を持つようになってきています。
ユーザーから信用されることは権威性を得ることにもつながり、結果として自社の商品購入やサービス利用へのハードルを下げることにつながりやすいのも、SEO対策をおこなうことの大きなメリットのひとつです。
SEO対策をおこなうことによるデメリットとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
・必ず検索結果の順位が上がるとは限らない
・1ページ目に入らないとほぼ見られない
・効果が出るまで時間と手間がかかる
SEO対策をおこなっても、必ず検索結果の順位が上がるとは限りません。
検索エンジンのアルゴリズムがブラックボックスである以上、どうすれば検索順位が上がるかを推測しながら対策をおこなうしかないからです。
また、ほかのサイトも同様にSEO対策をおこなっているケースが多いことも、考慮しておく必要があります。
ユーザーが検索後に実際に閲覧するサイトは、検索結果の1ページ目に表示されているサイトが大半です。
そのため、たとえSEO対策によって検索順位が上がったとしても、1ページ目に入らなければ流入数増加などの効果は期待できないでしょう。
また、たとえ1ページ目に表示されたとしても、ページの上部に表示されるのか下部に表示されるのかでクリック率は大きく変わります。
検索結果のトップ5以内に入ることを、できる限り目指さなければなりません。
SEO対策の結果が出るまでにかかる時間はケースバイケースですが、基本的にある程度の時間がかかることを見越しておかなければなりません。
キーワードによって2~3ヵ月程度で効果が出る場合もあれば、半年~1年程度経たなければ効果が出ない場合もあります。
また、近年のSEO対策はどんどん複雑化していっているので、しっかりと効果を出すためには相応の手間をかける必要があることも、念頭に置いておきましょう。
SEO対策でおこなうべきことはいくつもありますが、反対にSEO対策で「おこなうべきではないこと」もあります。
それは、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反することです。
Googleウェブマスター向けガイドラインで「使用しないように」と言われている手法としては、主に以下のようなものが挙げられます。
・リンクプログラムへの参加
・不正なリダイレクト
・隠しテキストや隠しリンク
・ページへのコンテンツに関係のないキーワードの詰め込み
上記をおこなうと、Googleが手動でペナルティを課して、検索順位が下落したり検索結果からインデックス削除されたりしてしまいます。
ウェブマスター向けガイドラインに遵守する形でSEO対策をおこなうことを、心がけましょう。
SEO対策を自分でおこなうのではなく、専門におこなっている会社に依頼する場合、会社の選び方が大きなカギを握ることになります。
SEO対策会社の選択で失敗しないためには、会社選びの際に以下のような点に注目するとよいでしょう。
・サービス内容
・SEO対策における実績
・SEO対策にかかる費用・契約期間
・Googleの最新アップデートに精通している
・SEO効果が出ない時の対応
それぞれのポイントについて、詳しく説明します。
SEO対策には内部施策・外部施策・コンテンツSEOがありますが、会社によって対策してくれる範囲は異なります。
また、実際に施策をおこなってくれる会社もあれば、アドバイスやコンサルティングをおこなうだけの会社もあります。
どこまでの施策がサービスに含まれているのか、施策実行のために自社のリソースをどの程度割く必要があるのかなどを踏まえて、利用する会社を選びましょう。
SEO対策における実績は、対策会社を選ぶうえで重要な要素のひとつです。
これまでに担当したクライアント企業やSEO対策をおこなって得られた成果など、具体的なデータを公表している会社を中心に検討すれば、実績も比較しやすいでしょう。
また、自社と同じ業界で実績を挙げられているかも重要です。
SEO対策は結果が出るまでにある程度の期間がかかることが多いため、必然的にSEO対策会社とは長いお付き合いになるケースが多く、途中で会社を乗り換えるのはなかなか難しいです。
そのため、SEO対策にかかる費用や契約期間がサービス内容から鑑みて妥当かどうかは、事前にしっかり吟味する必要があります。
SEO対策会社を選ぶ際は、複数社から見積もりをとって費用や契約期間に納得感があるかどうか、確認することを心がけましょう。
GoogleのアップデートはSEO対策の根幹に関わるものなので、最新情報をきちんとキャッチアップして対応できる対策会社を選ばなければなりません。
情報のキャッチアップが遅い会社を選んでしまうと、一昔前の意味のない対策にお金と手間をかけることになってしまう可能性があります。
SEO対策は実行しても効果が出ない場合もありますが、その場合にどう対応してもらえるのかも、確認しておくことが望ましいです。
別途対策をおこなうために追加費用が発生する場合もあれば、効果が出ないときのことも鑑みて、最初の費用に追加対策用の金額が含まれている場合もあります。
SEO対策は効果が出ない場合もあってしかるべきなので、「絶対に効果が出ます」というような謳い文句を掲げている会社は、利用しないようにするのが無難です。
検索エンジンのアルゴリズムのもとで、自社サイトをなるべく上位表示させるためにおこなう種々の施策のことを、一般的に「SEO対策」と呼びます。
SEO対策は、「内部施策」「外部施策」「コンテンツSEO(コンテンツ制作)」の3つに大きく分類されます。
SEO対策をおこなうことでサイトへの流入数増加やブランディング効果などが期待できるので、自社サイトの現状を把握したうえで、適切な施策をおこないましょう。
自社だけでSEO対策をおこなうことが難しい場合は、SEO対策会社の力を借りるのが望ましいです。
これまでの実績や費用・契約期間などを踏まえて、自社に合っている会社を選んで契約しましょう。
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