日常生活のなかで、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを当たり前のように利用しています。
ただ、インターネットを利用しながら「ほかの検索エンジンはないのだろうか」「日本製の検索エンジンは?」といったような疑問を持ったことがある方も、多いのではないでしょうか。
また、そもそも検索エンジンはどのような仕組みになっているのかも、気になるところです。
この記事では、日本で人気の検索エンジンランキングを紹介するとともに、検索エンジンの仕組みや検索エンジンに関してよくある質問について、説明していきます。
検索エンジンにはいくつも種類があり、それぞれ特徴も異なります。
以下では、日本で人気の検索エンジンをランキング形式で紹介していきます。
Googleは日本だけでなく、世界でも圧倒的なシェアを占めている検索エンジンで、「インターネット上で検索をする=ググる」が通用してしまうほど、生活に根付いているサービスです。
「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」を使命として掲げているのが特徴で、ユーザーにとって有益なサイトを検索結果として表示できるように、常にアルゴリズムのアップデートを繰り返しています。
多数の言語に対応し、それぞれの国向けにローカライズしているため、海外に旅行や出張に行った際などにインターネット検索をする際も、安心して利用できるでしょう。
Bingは、アメリカのマイクロソフト社が運営する検索エンジンです。
Windows10に搭載されているブラウザのデフォルト検索エンジンとして設定されているため、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
デスクトップのUIはGoogleに似て非常にシンプルで、感覚的に利用しやすいのが特徴です。
動画の検索結果が大きなサムネイルで表示され、マウスカーソルを合わせることで動画が音付きでプレビューされるため、動画検索をおこなう際には便利です。
DuckDuckGoは、ユーザーのプライバシーの保護および利用履歴等を記録保存しないことを運営方針としている、検索エンジンです。
個人情報に関して同様の方針を掲げているWebブラウザである「Vivaldi(ヴィヴァルディ)」では、デフォルトの検索エンジンとして設定されています。
個人情報収集によるトラッキングに悩んでいる方にとっては、待ち望んでいた検索エンジンと言えるかもしれません。
UIも非常にシンプルで使いやすいのが特徴です。
Baiduは、中国の百度(バイドゥ)社が運営する検索エンジンで、中国ではGoogleが利用できないことから「中国のGoogle」とも呼ばれています。
日本では2007年にベータ版の提供が開始され、2008年から本格的にサービスの提供が始まっています。
表記は中国語ですが、UI自体はGoogleとよく似ているので、中国語がわかる人であれば感覚的に利用しやすい検索エンジンと言えるでしょう。
Yahoo!はGoogleよりも前から存在し、日本では「Yahoo!JAPAN」としてサービスを提供している検索エンジンです。
Googleのトップページが検索ボックスのみのシンプルな構成になっているのに対して、Yahoo!のトップページはメール、ニュース、オンラインショッピング、ゲームなど、さまざまなサービスへのリンクが充実しています。
アルゴリズム自体はGoogleと同じものを利用しているため、検索結果はGoogleの結果とほとんど変わりません。
パーソナライズド検索を採用しており、ユーザーが過去に検索したキーワード情報をもとに検索結果を表示するため、同じキーワードで検索をおこなっても、ユーザーによって検索結果が変わるのが特徴的です。
Askは、かつてはAsk
Jeeves(アスク・ジーブス)として知られていた検索エンジンで、シンプルなQ&A形式をとっているのが特徴です。
専門知識を優先する独自のアルゴリズムを採用しているため、検索結果が他の検索エンジンとは異なる傾向にあります。
Yahoo!などと同様に、キーワード検索だけでなく画像検索やニュース検索をおこなうことも可能です。
検索ワードに関連した「よくある質問」も表示されるため、検索ワードに付随したさらに進んだ検索をしたいときには、重宝するでしょう。
Naverは、韓国のネイバー株式会社が運営する検索エンジンです。
日本でも以前「Naverまとめ」というサービスが展開されていたため、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
トップページに「ニュース」「ブログ」「地図」といったさまざまなコンテンツが掲載されており、この点においてはYahoo!と同じような形式の検索エンジンと言えます。
カテゴリごとに検索結果を表示させる仕様は、他の検索エンジンとは異なる特徴です。
Ecosiaは、ドイツ・ベルリンの企業が運営している検索エンジンです。
「The
search engine that plants trees.」という説明からもわかるように、ユーザーが検索することでEcosia社が得た広告収益の80%以上が、植樹活動をおこなう非営利団体に寄付される仕組みになっているのが非常に特徴的です。
具体的には、約45回の検索で植樹を1本おこなうことが可能です。
BingのアルゴリズムにEcosia自身のアルゴリズムを組み合わせて検索結果を強化しており、検索エンジンとしても利用しやすいので、エコやSDGsといった概念に興味をお持ちの方は、利用してみてはいかがでしょうか。
Seznamはチェコ共和国に拠点を置く検索エンジンで、チェコ国内ではGoogleと同程度のシェアを誇ります。
Yahoo!などと同様に、トップページにはニュースや天気予報・メールといったさまざまな情報が集約されています。
以前Googleで利用されていた「ページランク」と似たような指標である、「Sランク」と呼ばれる独自のランキングスケールを、各Webページに対して適用しているのが特徴的です。
CocCocはベトナムの企業が運営しており、2013年リリースと比較的新しい検索エンジンです。
ベトナム語の自動入力補助やスペルチェックなど、ベトナム語を使うユーザーにとって扱いやすい独自機能が搭載されているのが大きな特徴です。
ファイルを分割することで高速にダウンロードを完了させる機能や、通貨単位が違う外貨をコンバートする機能など、他の検索エンジンにはない機能を数多く搭載しています。
YANDEXは、ロシアの企業が運営する検索エンジンです。
Baiduが「中国のGoogle」と呼ばれているのと同じように、YANDEXは「ロシアのGoogle」とも呼ばれています。
UIはGoogleと似ており非常にスッキリしていて使いやすく、フリーメールやオンラインストレージ、地図検索などのサービスも提供しています。
ロシア産の検索エンジンということで、英語やロシア語はもちろんのこと、トルコ語やキリル文字圏の諸言語にも対応しているのが特徴です。
WolframAlphaは、イギリスの論理物理学者によって作成された検索エンジンです。
通常の検索エンジンでは、入力したキーワードに関連した検索結果が表示されますが、WolframAlphaでは数学に関連した質問に対する回答がおこなわれるという、ユニークなシステムが採用されています。
数学、科学技術、社会と文化、日常生活の4つのカテゴリにおいて専門的な知識を提供するように設計されているのも、大きな特徴です。
ユーザーの検索履歴を追跡しないため、プライバシー保護という点においても安心して利用できるでしょう。
Boardreaderは、オンラインフォーラムやメッセージボードから情報を見つけることができる検索エンジンです。
フォーラムを検索し、日付と言語でフィルターをかけることができます。
検索キーワードを含むメッセージボードや、ユーザー同士が議論しているコンテンツを探すことができるので、特定のコンテンツをリサーチする際に役立つ検索エンジンと言えるでしょう。
StartPageは、ユーザーのプライバシー保護に重きを置いている検索エンジンであり、DuckDuckGo同様にユーザーのデータを一切追跡・蓄積しません。
検索結果はGoogleの検索結果を利用していますが、Start
Page自体がプロキシとして機能してくれるので、検索履歴がGoogleに残ることはありません。
自らを「世界で最もプライベートな検索エンジン」と謳うだけあって、完全にプライベートな状態で検索をおこなうことができます。
Qwantはフランスに拠点を置く検索エンジンで、プライバシー保護を重視しているのが大きな特徴です。
検索履歴を保存したり個人情報を広告表示に活用したりすることがないため、トラッキングに悩んでいる方にとっては非常に使いやすい検索エンジンと言えます。
UIもユーザーフレンドリーに設計されており、検索結果はウェブ、ニュース、社会のカテゴリに分類されて表示されます。
ウェブサイトの名前の前に「&」を入れることで、すぐに外部のサイト内検索結果を表示できる「クイックサーチ機能」も便利です。
検索エンジンとは、「インターネット上に存在する情報(Webページ、Webサイト、画像ファイルなど)を検索するシステム」のことを指します。
検索窓に調べたい情報に関するキーワードを入力することで、インターネット上にある関連情報を検索結果として一覧表示してくれます。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからでも利用することができます。
検索エンジンの仕組みは、主に以下の3つで構成されています。
・クローリング
・インデックス
・ランキング
検索エンジンの内部では、「クローラー」というロボットが日々稼働しています。
クローラーの役目は、インターネット上に存在するWebページを巡回し、Webページを構成するHTMLというソースコードの中身を読み取り、どういった内容のページなのかを把握することです。
この情報収集の一連の作業のことを、「クローリング」と呼びます。
クローラーが「検索結果に表示させてユーザーに届ける価値がある」と判断したWebページは、「インデックス」の対象となります。
インデックスとは、Webページの情報を検索エンジンのデータベースに登録することです。
インデックスされた各Webページは、それぞれの検索エンジンのアルゴリズムに基づいて評価されて、検索順位が決定します。
この一連の流れが絶えず繰り返されることで、検索エンジンを利用して有用なWebページを探すことができるのです。
普段何気なく利用している検索エンジンですが、その種類や仕組みなどについて、知らないことがたくさんあったという方も多いと思います。
以下では検索エンジンに関してよくある質問に対して、いくつか回答していきます。
中国のBaidu、韓国のNaver、ベトナムのCocCocなど、世界中の国で検索エンジンが作られていますが、日本にも独自の検索エンジンはあります。
代表例としてはTITAN、goo、OCNなどが挙げられますが、Googleがシェアを拡大するのに伴って、いずれも廃止またはGoogleやその他の検索エンジンを採用して運営を継続する形になっています。
その後、日本製の検索エンジン開発のために国家プロジェクトが何度も発足しましたが、そのほとんどが中断している状況です。
たとえばGoogle Chromeにおいて既定の検索エンジンを変更したい場合は、ブラウザの右上にある「設定」をクリックし、続いて「検索エンジン」をクリックします。
その後、「アドレスバーで使用する検索エンジン」を変更したい検索エンジンに設定することで、既定の検索エンジンを変更することができます。
ほかのブラウザにおいても同様の手続きをおこなうことで、検索エンジンを変更することが可能です。
検索エンジンとしてGoogleを利用している方は多いと思いますが、世界にはGoogle以外にもさまざまな検索エンジンがあり、それぞれ異なった特徴を持っています。
DuckDuckGoやQwantはプライバシー保護を重視していますし、Bingは動画検索をおこなうのに便利です。
また、SeznamやYANDEXのように、特定の国ではGoogle並のシェアを占めているような検索エンジンもあります。
シチュエーションや利用する国などに応じて検索エンジンを使い分けることで、これまで以上に快適にインターネット検索をおこなえるようになる可能性もあるでしょう。